1・元絵を描く

元絵はアナログと同じ様に描いてスキャンする方法が一番簡単です。
(人によってはタブレットの方が綺麗に描けると云う人もいます)

私の場合、小さい紙に描くのは苦手なので、出来上がりサイズがB5やA4の絵ならB4、本の表紙などでB4、A3ならB3の紙に描きます。
スキャンするのが大変です(笑)。

下書き段階では紙の種類にこだわりません。
殴り描きの様に、適当にイメージを描いていきます。場合によっては人物ごとに紙を分けて、ペン入れ時に1枚の絵に合わせる事もあります。

ペン入れにはトレス台を使います。
以前は漫画と同じく丸ペンでペン入れしていたのですが、今は「0.3のH」のシャーペンでペン入れとします。
筆圧が高いのでHじゃないと原画が真っ黒になるので(死)。

出来れば、フォトショで自動選択出来るように、綺麗に線を引けたらいいのですが。
線の太さやガタガタなのは、取り込んだ後でもある程度直せます。
もっと重要なのは、取り込んだ後では直せない「入り」と「抜き」を意識して描くと、線が綺麗に見えます(これは白黒コミックでも同じ事です)

左の線は左から右に向かって適当に引いた線です。すべての線がこんな感じでは雑な印象になります。
ペンが紙に付くとき(入り)と離れる所(抜き)は、スッと自然に抜くように描くと上手く行きます。
漫画の線は曲線なので、「線の両端は細めに中央は膨らむように」描くと綺麗に仕上がります。

この段階でしくってもPC上で直せばいいや、と数時間後の自分に作業を委ねてしまうと、線画修正の段階で「なんであの時直さなかったんだろう(笑)」と、数時間前の自分を恨むことが、私はよくあります(笑)

尚、線に色を付けたい場合も下絵は黒で描きます。
線の色はいくらでも後から変えられますし、その方が始めにカラーで描くよりも綺麗に仕上がります。

2・線画を取り込む

グレイスケールの600ppiでスキャンします。

何故600で取り込むのかというと、出来上がり解像度が300ppi前後になるので、その倍の解像度で取り込むのです。
1200だと画面がディスプレイに対してでかすぎる(笑)し、高解像度で取り込んでから使う解像度に下げた方が、線がきれいになるからです。
グレースケールならスキャンも早いし、データも小さいので問題ないと思います。

ここでスキャナによっては、色々な取り込みモードが有ると思いますが、グレースケールで取り込むようにした方が仕上がりが綺麗です。
モノクロモードはコントラストがハッキリ出ますが、印刷に回した場合などは、シャギーが強く出て汚く見えるのです。

←これは取り込んだままのプレーンな状態です。
原稿のトンボやタイトル、紙の厚みの影までが出ています。
修正する手間を少なくするために、原稿用紙の裏を使ったり、枠線などが水色の物を選ぶといいかも知れません。
消してしまえばおんなじなので、好みで決めて下さいね。

拡大すると、もっとゴミも見えますし線もぼやけているので、それを補正します。

取り込んだらまずフォトショップで保存し、調整レイヤーの「明るさ・コントラスト」「トーンカーブ」「レベル補正」などを駆使し、線がはっきりし、ゴミが目立たなくなる様に補正します。
ここで、線の太さも或る程度変えられます。

納得いくように補正したら、レイヤーが紛らわしいので統合してしまいます。
ゴミ拾いの前に補正を掛けておくと、ある程度ゴミも飛んで作業が楽になります。

次はゴミ拾いです。
原稿の汚れやスキャナー自体の汚れが出ているので消しゴムツールや広い所は矩形選択→カットで消します。ペン入れ時にはみ出た所なども拡大して消します。
この作業はキリがないので、或る程度妥協が必要かもしれません(笑)

スキャナの機種によってゴミが多かったり少なかったり差があります。あんまり汚くスキャンされる場合はドライバの設定も見直す方が良い場合もあります。

←余白の部分が多い絵なら、なげなわツールで人物の周りを大まかに選択します。(人物を囲んだ場合は「選択範囲の反転」を実行します)
そうしてコマンドキー(マックの場合)と「X」キーを同時に押して「カット」を実行します。
これで人物以外の余白の部分のゴミが一遍に取れました。

 

修正前(左) 修正後(右)

線がはみ出ている部分も消しゴムツールで消します。

気が済んだら、解像度を350ppi(印刷に回す場合)に下げて、線画は完成です。

1ピクセルのゴミを効率よく発見するウラ技

スキャンしたばかりの絵は小さなゴミだらけだったりしますので、それを200%とか400%とかに拡大表示して消していくワケですが、それでは絵がデカ過ぎて果てしない作業で、そのまま気絶して仕舞いかねません(よくある)。

そこで、まず背景レイヤーになっている線画を「レイヤー0」にしたら自動選択ツールで白い部分を選択(隣接のチェックを外し、許容範囲を上手く調節して透明部分をきっちり選ぶ)→カットして線の部分ではない紙の白い部分を透明にし、そのままの選択範囲で「編集→境界線を描く」を選ぶ。幅を「2」〜「4」(広すぎても駄目)位置を「内側」と設定して白で線を引き、もう一度透明部分を自動選択すると…。

こんなふうに100%以下の表示でもゴミが見えます(コレは解像度350ppi)。顔のあたりにゴミが見えますでしょうか?
このファイルではWEB公開のファイルサイズの関係で小さいウインドウですが、これでモニタサイズ一杯にウインドウを広げて消しゴムツールで消せば、かなり楽に作業出来ます。

3・線画をレイヤーにする。

ここからはこのイラストで解説します。(他のファイルが無くなってしまったので・滝汗)

線を黒以外の色にするので、モードをRGBに変換してから作業に入ります。
印刷に回す場合もチャンネルが少なくてすみ、フィルタの制約がないのでRGBで作業します。

この段階ではまだ線画は背景レイヤーなのでレイヤー名をダブルクリックすると「レイヤー0」と言う普通のレイヤーになるので適当に名前を変えます。

このままだと、線のない白い部分は透明ではありません。
そこでレイヤーを乗算モードにすると、白い部分が透けて下のレイヤーが見える様になります。

主線をそのまま使う場合はそれでもいいのですが、線の色を変えたり線を加工する場合は都合が悪いので、本当に線の部分以外を透明にします。

チャンネルに移動してチャンネルブラックをコピーします。
コピーしたチャンネルを「イメージ」→「色調補正」→「階調の反転」を選び、チャンネルオプションで「マスク範囲に色を付ける」にチェックを付けます。

その後レイヤーに戻って「選択範囲」→「ブラックのコピー」を呼び出し、新しいレイヤーを敷いて好きな色で塗りつぶし。
元の線画を捨てれば線画のみのレイヤーの完成です(この絵)。
全体の格子模様は、そこが透明であると云うことです。

線画のチャンネルは後で使う場合もあるので取り敢えずとっておきます。

NEXT次はホトショで、下塗りとマスクの制作です。


 


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